5月6日
今日は平日の金曜日ですがゴールデンウィークがまだまだ続いている方も多いのかもしれません。
かつて私は少年野球の監督をしていたのですが、始めた頃に指導をしていた選手がゴールデンウィークで帰省していたようで、私のところにわざわざ顔を見せに来てくれました。
最後に会ったのは5年前で当時は大学生。現在は400kmくらい離れた町に就職し一人暮らしをしているとのこと。そこは北海道の田舎町なのですが現代の働き方改革などとは無縁で労働時間は守られておらず、パワハラやイジメが日常茶飯事。あろうことか「パワハラとかウチは関係ないから!」などと宣言までする上司もいるようです。
そんな状況でも何か息抜きやストレスを発散できるようなことがあればいいのですが、町には地元経営のコンビニが1軒しかなく、最寄りのセブンイレブンまで車で2時間走らないと辿りつけないという環境でコンビニやファストフード店にいつでも行ける生活になれている人にとってはそれだけで大変なこと。
「どうしてこんなことに…」
職場の状況や住環境の過酷な生活にまだ深刻に思い悩んでいるというところまではいっていないように思えたが
「オレはどうしてこんなことになってしまったんだろう…」と笑いながら話してはいたが後悔しているのは伝わってきました。
「まだ20代前半、まだまだ人生を変えることなんてできるよ」と励ましながら
「じゃあ、やり直せるとしたらどこからやり直したい?」という質問をしてみると
「小学校です!」即答。
理由をきいてみると小学校の野球が一番楽しかったんだそうです。
それって人生の転機とは関係ないような…とは思いましたが楽しそうに話をしているので続けてもらうと
「冬の体育館練習でショートバウンドを捕る練習をしたのが1番の思い出なんです」
と笑顔で教えてくれました。
北海道は冬の間はグラウンドが使えないため体育館で練習をすることが多いんです。その中で走って基礎体力をあげたり、ポジションごとの細かい基礎練習をしているのですが、そんな練習メニューのうちのひとつがショートバウンドの練習だったのでしょう。
そのショートバウンドを捕る練習をしたことを正直私は憶えていませんでした…ごめん。10年以上経った今でも「1番の思い出」として残っていることに驚き、とても嬉しくなりました。
思い出づくりというと何か計画を立てて旅行したり、お楽しみ会的な特別な時間を設けるイメージだったんですが、こんな何気ないシーンでも一人の少年の心に楽しい思い出として刻まれるんだなということを知り、他の子にも同じように何か思い出のシーンが残ってるといいなあと若干の不安の中、回想していました。
私はもう野球から離れていますが「また一緒に野球をやりたい」とまで言ってくれたので、その子だけじゃなく私のチームで一緒に野球をしてくれていた子たちのためにそんな場所を作れたらと小さな夢ができました。
現在の辛い状況を知り、すぐに辞めるのではなく期限を設けて次に移る準備はしておくのがいいんじゃないとアドバイスをしておきました。
何気ないシーンの楽しい思い出がたくさんできる人生を歩めるよう祈っているし、何かあったらいつでも元監督はお手伝いします!